2020-04-13から1日間の記事一覧

せんそうにかんするあるじゅぎょう

イライラむらには、イライラしているひとばかりすんでいます。イライラしているので、まわりのむらにでむいてはらんぼうをします。そうでもしないと、じぶんたちどうしでけんかばかりしてむらがほろびてしまうからです。 いっぽう、ニコニコむらには、ニコニ…

風変わりな遺書

以下が「彼」の自殺の現場に残されていた文面である。これを警視庁は遺書と認めず長く倉庫に保管していたが、内部流出により全文が明らかになった。弊誌はこれを遺書とみなし、故人の考えを公開することによって安楽死の是非について世間の洞察を得るべく、…

ドリーム・バスター

私はドリーム・バスターだ。 私は、あなたの幻想や夢を破壊する。私の仕事が完了するとき、あなたはもはや物語的な人間ではなく、ただの一個の生命に過ぎなくなる。 はじめよう。 あなたには、前世などない。あなたには、後世などない。あなたのための、神な…

戦争に関する或る講義

戦争の勝敗に対して民衆のもつイメージには通常以下の3つがあります。 A: 勝つイメージしかないB: 勝つイメージと負けるイメージをもつC: 負けるイメージしかない これら3つのタイプのうち、Bは常に最大数です。数の大小でいえば B > A > C が常に成り立つ。…

金で買える愛

中年に差しかかったころ、保証付きの「愛」を買った。「愛」の値段は9,090万円(税別)だった。高い買い物をした価値はあった。「愛」は私の要望にいつも従順に応えてくれた。「愛」は家事をそつなくこなした。私の暴言や暴力にもよく耐えた。「愛」には感謝…

霊能者

霊能者様の背後に、ひと粒の兎の糞が浮かんでいて、じっとかの人の背を見つめているのだ。 あれはひょっとして、霊能者様の背後霊かしらん。いや、そんなはずはあるまいと、神妙にお言葉に耳を傾けていると、糞がけたけた笑った。 先生、どうも私にも霊が見…

画商

画商のところに一人の貧しい画家がやってきた。一目見るなり、画商はいやな気持ちになった。画家は若く、青白くやせて、目が輝いていた。身なりは貧しいものだったが、それが魅力にさえ映るような風貌だった。こういう男にどうせ大した絵は描けまい、と画商…

権威の服

「これは良さそうな服だな」「はい。権威というのです」「皆が見たがるのはこれだな」「はい。見えなくても見たと言います」「私には見えるぞ」「はい。見える方のための服ですから」「なかなか好い着心地じゃないか」「はい。この服は着る人を選びます」「…