100個のリンゴが収穫できたときに、82個を1人で持ち去る人がいる村に生まれて

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世界は陰謀に満ちている。82%の富を1%の人たちが独占している※1。100人の住む村で、100個のリンゴが収穫できたときに、82個を1人で持ち去る人がいるのだ。残りのわずか18個のリンゴを、99人の村人で分け合わなければならない。1人あたり1/4個としても、まだ27人ももらえない人がいる。こんな世界を信用しろと言われても無理だ。人々が正気を失って、地球を平らだと主張したり、温暖化など起きていない、と言い出すのも無理はない。

スマホをいじりながら、地球は平らなんだよ、と主張するのは滑稽だが、ほぼ無害である。しかし、温暖化なんてガセだよ、とガンガン化石燃料を燃やし、牛や豚をドカ食いし※2、タバコを吸いまくるのは※3、温暖化問題を棚上げしても、それ自体で無害ではない。温暖化陰謀説は、他の原因での自滅を引き寄せる。1つのリスクがなくなることは、ノー・リスクになることではない。逆に、温暖化は実際に起きている、と考えて行動すれば、その予測が外れた場合に悪影響が少ない。むしろ、旧来の工学に代替する科学の発達が見込める。

温暖化陰謀論者は、リンゴは200個獲れると主張する。あるいは無限個だって可能だと考える、村の面積は一定なのだが。そうすればトリクル・ダウンで、末端はリンゴの芯くらい手に入るんじゃないの、と自民党の政治家なら言うところだ。 我々は扇動者につられがちである。彼らの声はでかい。嘘だか何だか分からなくするほどにでかい。だが、いくら声がでかくても、それはしょせん1人分の声だ。つられて叫ぶ前に、でかさという権威を剥がしてみよう(参照:権威におもねる人は風邪をひきやすい論 )。その言説を科学の光で照らしてみよう。この世界は『つられて大声を出したら負けゲーム』である。戦争も環境破壊もいずれ、扇動者よりもむしろ大声に呼応した者たちの責である。


※1 朝日新聞DIGITALより引用https://www.asahi.com/articles/ASL1Q53MTL1QUHBI016.html(2019年7月14日閲覧)
※2 牛や豚から発生するメタンは二酸化炭素よりも温室効果が高い。また、牧場を増やすために森林が削られる。
※3 他人の健康被害と本人の中毒症状の解消にしか貢献しないタバコの生産のために、農作物の生産機会が失われ、その工程と物流から大量の二酸化炭素が発生している。