「タバコはなぜ悪なのか」をかしこい子供が大人に説明するための絵本


どうしてタバコは悪いのですか、と子供に聞いてみましょう。

「くさいから」
「からだに悪いから」

きっと、子供はそんなふうに答えます。子供は正直ですね。そして、かしこいですね。

くさいのは当たり前なんです。だって、タバコのにおいの主な成分はアンモニアホルムアルデヒド。おしっこと接着剤を混ぜたようなものです。

こんなにおいはかぎたくない。と思うのは、生き物として自然なことなのです。

では、からだに悪い、はどうでしょう。ほんとうにタバコはからだに悪いのでしょうか。もしそうなら、どうしてからだに悪いのでしょうか。

私たちのからだは、たくさんの細胞の集まりでできています。細胞には、からだに悪いものができるとやっつける仕組みがあります。いわば、細胞のなかには、目に見えない小さな正義の味方がいて、いざというときには(命がけで)ワルモノと戦ってくれるわけです。

この小さな正義の味方をたたきのめすのが、タバコだとしたらどうでしょう。

大人は
「かっこいいから」
「気分がよくなるから」
とタバコを吸います。

他人の命をだいなしにするかもしれないのに、ずいぶん軽い理由ですね。

それはさておき、その正義の味方の正体は科学が明らかにしていて、「p53遺伝子」というのです。

絵本「かがくせんたい・ぴーこさん」は、こうした事実をかしこい子供(と、そうではない大人)に伝えるために描かれました。

「からだにわるいからやめなさい」
「ひとのめいわくだからやめなさい」
「ちょっとはがまんしなさい」

こんなふうに言われても、きっとタバコを吸う大人は、「やーだ、やーだ」で抵抗するでしょう。

それこそ、道路に寝ころがって、「吸いたいのー、吸いたいのー」と泣きわめくかもしれません。

だから、なぜそうするべきなのかを、きちんと科学をふまえて、その仕組みを分かりやすく説明したほうがいいだろう、と作者(まあ、僕なわけですが)は考えたわけですね。

子供向けの表現にしたのは、(中毒で冷静さを失っている喫煙者でも分かるように、というのもありますが)子供でも大人に教えさとすことができるように、という期待をこめたのです。

困った大人を何とかできるのは、他の大人ではなくて、かしこい子供たちかもしれませんから。

少なくとも、タバコがからだに悪い理由を理解すれば、将来、大学生になったくらいで浮かれてタバコに手を出すこともないのではないでしょうか。

ところで、このやっかいな現代で、かしこい子供がかしこい大人に育つために、必要なのは何でしょう?

答えはかんたん。

それは「科学」の視点をもつことだと、僕は思うのです。


☆絵本はこのブログとApple Booksで公開しています。
https://books.apple.com/us/book/id1479680397

※絵本の制作にあたっては『2100年の科学ライフ』(ミチオ・カク著、斎藤隆央訳)から大きな教示を得ました。なお、遺伝子の働きを擬人化するにあたって科学的に不正確な箇所がありましたら、それは僕の理解力不足や表現力不足に起因するものであり、参考文献の瑕疵ではありません。
※この作品を印刷・出版・各種媒体を用いた流布・記事化等をしていただける、個人・団体・企業・教育機関・メディア様を募集しています。プロフィール内にある連絡先にメールしてください。なお、僕の職業はフリーランスのグラフィックデザイナーであり、科学や医療に関する専門家ではありません。